本屋さんでこのインパクトがある題名とインパクトがあるこの顔に見覚えはありませんか?
私は、本屋に行くたびに気になり手にとっては買うかどうか迷うことを繰り返し・・・
なかなか購入に踏み切れなかった理由はまずテーマが重いという事。そして結構なボリュームで384ページと結構なページ数。(日本語縮約版)
気になるけど思い切って買えない
そんなあなた
私と同じですね。
本書は著者のシェリー・ケーガン先生がイェール大学で20年以上開講している「死」をテーマにした講義内容をまとめたものです。
普段考えることがタブーとされている「死」について、改めて考えることが出来るのがこの書籍。
40年くらい生きていると周りの人の死に直面することがあります。「死」ってなんだろうとあなたも考えたことがあるのではないでしょうか?
結構なボリュームの書籍ですが、死生観について考えるにはもってこいの本です。
日本語縮約版と完全翻訳版がある
出典:Amazon
「死とは何か」には、前半部分を「日本の読者のみなさんへ」という見出しに集約し、カットされてた日本語縮約版と
原書のすべてを和訳して発行された完全翻訳版があります。
縮約版でカットされた第2講~第7講が追加されたものが完全翻訳版です。
第二講:二元論と物理主義
第三講:「魂」は存在するか
第四講:デカルトの主張
第五講:「魂の不滅性」についてのプラトンの見解
第六講:「人格の同一性」について
第七講:魂説、身体説、人格説ーどの説を選ぶか?
どちらを読むべきか?
私には、日本語縮約版で十分でした。
- 日本語縮約版でも384ページ
- 完全翻訳版は751ページ!
縮約版でもお腹いっぱいになりますね
「死」をテーマにしたシェリー・ケーガン先生の講義の内容をまとめた書籍。
一言でいうと、哲学と屁理屈・・・
本書を読んでいて思ったのは哲学自体が屁理屈なのか?
哲学を専門にしているか方スミマセン・・・
哲学に関する書籍に慣れていない方はボリュームが多いと、途中で読むことに頓挫してしまう可能性があります。
完全翻訳版のAmazonレビューを見てみると星1つや2つのレビューには、
「長く単調で途中で読むのをやめてしまいました」的なレビューが見受けられます。
私は縮約版を読んだのですが、たぶん完全翻訳版は読破できないかも・・・
というわけで、私のような何となく「死」という物について考えてみたい程度読者のあなたには日本語縮約版がおすすめです。
今ならPrimeReadingに対応
出典:Amazon
PrimeReadingはAmazonプライムに加入していると勝手についてくる、kindle電子書籍の1000冊以上が読み放題というサービスです。
似たような名前のサービスでKindle unlimitedというものがあります。
Kindle unlimitedはPrimeReadingの上位版のようなサービスで、月額980円で和書12万冊・洋書120万冊の書籍が読み放題です。
PrimeReadingに話を戻します。
結構Amazonプライムを契約している方ででPrimeReadingを活用していない方いると思います。PrimeReadingのラインナップは特にビジネス書が多い印象。
リアル店舗の書店で「この本ちょっと気になるかも?」って思った書籍がPrimeReading対象だったりします。
「死とは何か」は現在PrimeReading対象書籍となっています。
私はAmazonプライム会員なので、kindleアプリで無料で「死とは何か」を読むことができました。
書店で買おうかどうか迷っていた書籍がPrimeReading対象だった場合は、心の中でガッツポーズ。
PrimeReadingで読もうと思った方、実はPrimeReading対象書籍は定期的に入れ替えがあります。つまり今PrimeReading対象書籍も数カ月後には対象外となることもあるのです。
当然「死とは何か」に関してもいつまでもPrimeReading対象というわけではないのです。
Amazonプライム会員の方は、今すぐ無料で読むことが出来ます。
Amazonプライム会員ではない方も、1か月無料で試すことが出来ます。
Audibleで聴く読書がおすすめ
この「死とは何か」という書籍
シェリー・ケーガン先生の講義、死という哲学的な内容を書籍化したものです。
死という重いテーマ、哲学的な内容、あと屁理屈要素が満載(笑)
読んでみれば分かります
とにかく活字で読むと単調で眠くなる(1冊読み終えるといろんなことが府に落ちるのですが)
講義内容の書籍化したものはやはり音声で聴くとしっくりきます。
日本語縮約版1冊を読んで気がついたのですが、
Audibleで第1講から第9講まで、通勤時間や家事をしながらそれほど集中しないで聴いて最終章である、死についての最終講義「これからを生きる君たちへ」をじっくり読むと、本書の重要なエッセンスを読み取ることが出来ます。
本書の特徴として、重要な事が何度も繰り返し出てきます。聞いていると「あーこれはさっきも言っていたな」と記憶に定着していきます。
そして最終講義「これからを生きる君たちへ」を読むとシェリー・ケーガン先生の伝えようとしていることがしっかりと消化されます。
「Audible」試したことが無い方は、1か月無料体験を利用して聞く読書を体験してみてください。
【死とは何か】で語られている事
魂は存在しない
魂は存在しないという事は本書を通して大前提としての考え方となっています。
魂というとき、それは体とは別個の非物質的なものを指すが、そんなものは存在しない。死んだら一巻の終わりなのだと著者は言います。
正直魂の存在について確認することはできない。
このことは何となくそうじゃないかと思ってはいるけれど、仏教やキリスト教の教えでは魂の存在だったり死後の世界だったりの考え方が存在します。映画や漫画の中でも多くの作品で魂が存在する前提で描かれています。
親や友人など大切な人が無くなった時その人には魂は存在せず、一巻の終わりというのはあまりにも受け入れがたいものですが、著者は魂は存在しないと主張します。
私も魂は存在しないと考える側の人間です。
実家に帰れば仏壇に手を合わせるし、墓参りに行けは仏花を活けて線香をあげます。そこには亡くなった家族の魂がいるのではなく、私自身の中にいる家族の思い出を思い出すための場所、儀式的なものなのだという理解で行っています。
本書の中には書かれていませんが、魂という物があるとしたら、死んだその人の中にあるというよりは、その人の事を覚えている人たちの記憶が魂なのだと私は思います。
不死は悪いもの
死は人生における良いところを剥奪するから悪いのであるなら、最も望ましいのは永遠に生きることなのだろうか?
不死と生き地獄は紙一重と著者は話しています。
今のところ不死を実現した人は存在しないので、著者のなかでのシミュレーションというか屁理屈なのですが、様々な例を挙げて不死が悪いものであるか説明されています。
有限だから生をより大事にできる。
人はいずれ死ぬ以上、将来得られる人生の量に限りがある。人生は貴重な資源だ。
だから人生は貴重だ。
まさに、著者の言う通りだと思う。
実際に令和を生きる私たちが不死を手に入れることは無いと考えられますが、不死を考えることにより、人生の大切さを考えることができます。
人はいつ死ぬのか
物理主義者の視点から言うと体が人としての機能を果たさなくなった時点に死ぬと言える。
人としての機能ってどこまでか?
心臓が止まった時か。脳の機能が失われた時か。考え方はいろいろです。
このあたりも、著者は独自の脳内シミュレーションと屁理屈を展開して説明しています。
「人はいつ死ぬのか?」という話をすると思い出すのはDr.ヒルルク
国民的人気漫画のワンピース
今から20年も前に発行された16巻で登場したDr.ヒルルク
主人公のルフィー率いる麦わら海賊団の船医を務めるチョッパーが医者になることを決意することのきっかけでもあり、命の恩人でもあるDr.ヒルルク。
彼が残した名言を思い出します。
出典:ONE PIECE16巻
確かに著者の言う通り、人として機能が停止した時点が人が死ぬときだと言えます。
本書を読んでいて私の中に生まれた考えは、魂は死んだその人の中に存在するのではなく、残された人の中に存在するということ。
そう考えると、Dr.ヒルルクが言う
「人はいつ死ぬか」
「・・・人に 忘れられた時さ」
という考え方私の中で息づいていきます。
自殺に関する考え方
著者は自殺が理にかなっている状況について話しています。
変性疾患は体をコントロールする能力を徐々に奪っていくが頭はそれよりもずっと長い期間なんの問題もなく働き続ける。
状況が悪化し存在しているほうが存在しないよりも悪くなる点では自殺は理にかなっている。
この手の話題は、とても難しい問題です。どの時点から自殺が理にかなっているのか見極めるのは困難です。
一方で多くの自殺は間違った自殺であるとも話しています。
恋人にふられた。仕事を失った。険悪な離婚を経験した
周りの人の人生と比べたりし、今の人生は生きる価値がないと思い込む。
実際はそうではない。期待した人生ほど生きる価値がなかったとしても、やはり存在しないよりは良い。
世間一般の考えは自殺は正当化されないというのが常です。
著者は死ということは、良くもなければ悪くもないという状態として述べています。
この先ずっと悪い状態から良い状態になることが無いという事がわかるなら自殺は正当化されると話しています。
未来を見通す水晶玉を持っていたら、自殺が合理的かどうか判断することが出来るが、実際にはそんな水晶玉はないため、多くの場合自殺が合理的かどうか判断はできないと言えます。
まとめ
年を重ねていくと否応なしに知人や家族の死に直面します。
そんな時本書は「死とは何か」を考える手助けとなります。
死というある意味タブーとされるテーマについて書かれていて、読む人によっては好みが分かれると思います。私が読んで感じた事とは異なる感じ方をされる方もいると思います。
もしあなたが、本書に興味があって重そうなテーマと、本のページ数で読むことを躊躇しているなら、
- PrimeReadingで追加料金なしで読んでみる。
- Audibleで聴く読書を経験する。
この2つをおすすめ
普段読まないような書籍も聞く読書で抵抗なくインプットすることができます。
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この記事は、はてなブログお題「我が家の本棚」について書きました