お金に関する不安は人類が「お金」という物を発明して以来ずっと我々につきまとっています。
働けど働けどお金の心配がなくなる経済的自由と呼ばれる状態は程遠く思えるのではないでしょうか?
世の中には年収が300万円の人も年収が1,000万円の人もいます。
年収300万円の人がお金に悩んでいて、年収1,000万円の人がお金に悩んでいないのか?というと必ずしもそうではないのです。
2015年にノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のアンガス・ディートン教授は収入が増えるごとに幸福度は増すが年収が800万円を超えると幸福度は増えないと言っています。
本書にはお金と幸せを生み出す方法について書かれています。
その方法というのは実に具体的。誰にでも実践可能な内容。
私自身もお金について漠然とした不安がありました。
- 子供たちの将来の学費は大丈夫か?
- 自分たち夫婦の老後の資金は大丈夫か?
などなど・・・
本書にはお金を引き寄せる方法と、お金の不安を幸せにする考え方が書かれています。
私の感想を交えつつ本書の要点をネタバレしないようにお話していきます。
原作と漫画版が存在する
漫画版「バビロン大富豪の教え」
原作:ジョージ・S・クレイソン
漫画:坂野旭
企画・脚本:大橋弘祐
漫画版は2019年10月4日に初版が発行されました。
オリエンタルラジオ中田敦彦さんのYouTube大学で紹介されていたので、知っている方も多いのではないでしょうか?
私は、本屋さんに並んでいて気になってはいました。そこにオリラジ中田さんの動画を見て速攻で買いに行きました。
Amazonビジネス・経済 の 売れ筋ランキング1位になったベストセラー本です。
漫画版、原作がありますが、読むならまず漫画版がおすすめです。
漫画を担当した坂野旭先生の絵は少年漫画っぽい絵で見やすい。
誤解を恐れずに言うならば作画が崩れた時の冨樫 義博(幽遊白書、ハンター×ハンターの作者)。
いい意味でね・・・
冨樫先生の漫画大好き。
ストーリーが漫画版としてリニューアルされていて読者をより作品の世界へ引き込んでくれます。
原作「バビロンでいちばんの大金持ち」
著者:ジョージ・S・クレイソン
訳者:坂本貢一
日本語訳の書籍は何種類か出版されていますが、私が読んだのは2016年12月15日に初版が発行された坂本貢一氏による翻訳版です。
ジョージ・S・クレイソン氏の原作自体は1926年に出版されています。
驚いたことに原作は今から約100年前に出版された書籍なのです。
100年前の人たちも現代人と同じお金の悩みを抱えていたのですね。
そもそも、この話自体紀元前バビロニアを舞台した話なので、お金に関する悩みは2,000年以上前から同じなのです。
さらに驚くことに、紀元前バビロニアでは、今の資本主義社会でも通用する。いや、資本主義社会だからこそ役に立つ教えがすでに考え出されていたのです。
漫画版と原作では本書の大筋となる伝えたい内容は同じですが、ところどころ表現の違いやバックグラウンドとなるストーリーの部分が微妙に違います。
双方読み比べると新しい楽しみが得られます。
漫画版と原作の違い
原作と漫画版の違いについてお話していきます。
原作と漫画版で大きく異なる点についてまとめました
漫画版 | 原作 | |
---|---|---|
プロローグで登場する現代人 | 元大学教授・考古学者 大場拓也(たくやん) |
ノッティンガム大学・考古学部教授 アルフレッド・H・シュルーズベリー |
近藤グループ9代目社長 近藤武(こんちゃん) |
英国科学探検隊 フランクリン・コールドウェル教授 |
|
バンシル | 主人公 武器職人の息子 イケメンの好青年 いろいろな挫折を経験しながら大富豪になるべく進んでいく |
二輪馬車職人 胸毛が毛もくじゃらのガタイの良い中年男性 出番は少ない |
アルカド | バビロンの大富豪 学びの殿堂にて 「黄金に愛される7つ道具」について教えている |
漫画版と同様 知恵の殿堂にて 「豊かに生きるための7つの知恵」について教えてる バンジルと同世代であり友人 |
漫画版のプロローグで登場する現代人。元大学教授・考古学者の「たくやん」とイラクで粘土板を発掘した「こんちゃん」はそれぞれ、原作ではノッティンガム大学・考古学部教授アルフレッド・H・シュルーズベリー、英国科学探検隊フランクリン・コールドウェル教授という名前でそれぞれ登場します。
これは、バビロンの大富豪の教えが現代でも通用することを表現する上で現代人を登場させたものであり、漫画版はより日本人向けに編集された内容となっています。
私は先に漫画版を読んだ後に原作を読んだのですが、結構ショックだったのが漫画版の主人公であるバンシルが原作では微妙なキャラクターなのです。
漫画版では、表紙絵に乗っている少年がバンシルです。

武器職人の息子でイケメンの好青年に成長します。いろいろな挫折を経験しながら大富豪になるべく頑張っている姿に読者は共感をえて、自分を投影するような気持で見守る。
そんなキャラクターです。
原作では、職業は二輪馬車職人。
これは漫画版でバンシルが登場した時の描写で二輪馬車を作っている描写があります。吹き出しには「武器職人の息子バンシル」と表記されていますが・・・
漫画版は何となくはじめはキャラが定まっていなかった感じがありますね。
原作に
彼の額から玉の汗が吹き出し、したたり落ちて毛もくじゃらの胸の中へ消えていく
という表現があります。
原作では初めのほうでこの胸毛のバンシルが登場します。
このバンシルがどのような物語を紡いでいくのか?と心配しましたが。心配は無用
バンシルの出番は、バビロン一の大富豪アルカドに大富豪になる方法を聞きに行くという所で出番は終わります。
胸毛が毛もくじゃらのバンシルは序盤でクランクアップです。
原作者ジョージ・S・クレイソンは節約と経済的成功をテーマにした短編寓話シリーズを元に「The Richest Man In Babylon」を出版しました。
原作はもともと短編集だったので、それぞれのストーリで異なる登場人物が出てくるわけです。
バビロン一の大富豪であるアルカドは原作・漫画版に共通して終始登場します。
漫画版でバンシルがアルカドの命により与えられた金貨を2倍にする旅に出るというストーリーがあります。
この役割は原作ではアルカドが担っています。
もともと短編集で、いろんな登場人物が出てくる話を漫画版では主人公のバンシルを中心再構成されているわけなのです。
原作者ジョージ・S・クレイソンの伝えたかった事
- 黄金に愛される7つ道具
- 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則
この2つの事を軸に原作も漫画版も話が進んでいきます。
漫画版・原作での「黄金に愛される7つ道具」の違い
漫画版では学びの殿堂でアルカドによって「黄金に愛される7つ道具」として教えられます
1.収入の十分の一を貯金せよ
2.欲望に優先順位をつけよ
3.貯えた金に働かせよ
4.危険や天敵から金を堅守せよ
5.より良きところに住め
6.今日から未来の生活に備えよ
7.自分こそ最大の資本にせよ
原作では知恵の殿堂で「豊かに生きるための7つの知恵」としてアルカドによって教えられていました。
1.財布を膨らませ始める
2.支出を賢く管理する
3.貯えてたお金に稼がせる
4.財産を注意深く守る
5.住居を有利な投資物件にする
6.未来に備える
7.お金を稼ぐ能力を強化する
漫画版・原作での「五つの黄金法則」の違い
漫画版ではバンシルが原作ではアルカドが苦境に立った時に粘土板に刻まれた5つの教えに救われるのですが、この表現は漫画版、原作それぞれこのようになっています
【漫画版】「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則
1.家族と自分の将来のために収入の十分の一以上を蓄える者の元には黄金は自らを膨らませながら、喜んでやってくるだろう。
2.黄金に稼げる勤め先をみつけてやり持ち主が群れを膨大に増やす羊飼いのように賢明ならば黄金は懸命に働くことだろう。
3.黄金の扱いに秀でたものの助言に熱心に耳を傾ける持ち主からは黄金が離れることは無いだろう。
4.自分が理解していない商い、あるいは、黄金の防衛に秀でた者が否定する商いに投資してしまう持ち主からは黄金は離れていくだろう。
5.非現実的な利益を出そうとしたり謀略化の甘い誘惑の言葉に乗ったり己の未熟な経験を盲信したりする者からは黄金は逃げることになるだろう。
【原作】お金に備わった5つの習性
1.金は、自分と家族の未来のために財産を築きたいと願い、収入の十分の一以上を貯蓄しつづける人間のもとに、次第にその量を増やしながら、喜んでやって来ようとする。
2.お金は、良い仕事を見つけてくれる賢い持ち主のために、忠実かつ勤勉に働き、野に群れる家畜のごとく子孫を増やしつづける。
3.お金は、注意深く守ってくれる持ち主に、いつまでも付き従おうとする。
4.お金は、注意深く守ってくれない持ち主からは、足早に逃げ去っていく。
5.お金は、大きな稼ぎを強要する持ち主からも、足早に逃げ去っていく。
翻訳者によって表現は微妙に異なりますが、言いたいことは同じですよね。
収入の十分の一以上を貯金して、それを投資に回す。投資の寳保は専門家の話を良く聴く。だまされないように気を付ける。そんな感じでしょうか
漫画版で色濃く勧められている事
漫画版は主人公のバンシルの成長を軸にお金と幸せについてストーリーが進みます。
その要所要所に「バビロン大富豪の教えを現代に応用する」というコラムが紹介されています。
コラムの内容がとても現実的なのです。
黄金に愛される7つ道具の1つ目、五つの黄金法則の1つ目に記されている、収入の十分の一を貯金するという事に始まります。
そしてその貯金したお金を「外国株式インデックスファンド」に長期運用の投資することが、現代の資本主義社会で我々庶民が経済的自由への近づく方法だと書かれています。
あれ?急に投資の話になった!?
そう思いますよね?
私もそう思ったのです。
私の場合は全米株式インデックスファンドへのつみたてNISAを行っています。
本書で言う所の「黄金に愛される7つ道具」や「五つの黄金法則」に書かれていることを実践するには、「外国株式インデックスファンド」がいかに有効なのかよく理解できました。
株式投資なのでリスクが0というわけではありません。なので、収入の十分の一という無理のない額で運用することが、冷静に長期間投資を続けるために大切なことになります。
まとめ
漫画版「バビロン大富豪の教え」・原作「バビロンでいちばんの大金持ち」には、お金を引き寄せる方法と、お金の不安を幸せに変える考え方が書かれています。
それは考え方を変えてお金が貯まる考え方に自分のマインドセットを変えるだけではなく、お金を貯める具体的な方法です。
まずは漫画版「バビロン大富豪の教え」を読んでみると、古代バビロニアから伝わる大富豪になるための方法を現代社会に合わせた状態の知識として知ることができます。
そのうえで原作版を読むと、また一つバビロン大富豪の教えに近づくことができるはずです。
まず読むなら漫画版
私が読んだ原作(坂本貢一和訳)
大島 豊 による和訳(Audible版もあります)
漫画版「バビロン大富豪の教え」を読むならPrimeReadingがオススメ
私は書籍版で漫画版「バビロン大富豪の教え」を購入しました。
定価(本体1,620円+税)です。
書籍で読むこと自体好きだし、価格以上の学びを本書は私に与えてくれました。
2020年8月から漫画「バビロン大富豪の教え」がPrimeReadingの対象となったのです。
しまった!もう少し買うのを待てばよかった・・・!
今読むならPrimeReadingで読むのがオススメです。
PrimeReadingはAmazonPrimeに勝手についてくるサービスで1000種類以上の書籍が、無料で読むことが出来てしまうのです!
AmazonPrimeに加入していれば、気になる書籍がPrimeReadingに対応していたら、とりあえず読んでみるという事ができます。
読書好きにはたまらないサービスですね。
私は、もともと本を買って失敗することが怖くてなかなか本を買えなかったのですが、PrimeReadingを使えばそんな心配から解放されます。
この記事ははてなブログお題「我が家の本棚」について書きました