夢をかなえるゾウ
水野敬也
本書を購入したのは10年くらい前。
私が30歳になったくらいの頃。自分の才能は青天井だとまだ思っていたころです。
自分の才能がどのくらいものか、どのくらいの事が自分ができるか分からない時期。
今の職場で働き始めて4~5年が経ち、責任のある仕事を徐々に任されるようになったころです。
自分が成長するために何が必要かを見つけるために購入した書籍です。
40歳を超えた今改めて読み返してみたところ、10年前にとは違った気づきがありました。
キャラクターが個性的
本書はいわゆる自己啓発本と呼ばれ書籍です。この手の本は成功するための秘訣が著者の体験談をもとに書かれていることが多いのですが、「夢をかなえるゾウ」は
- 僕(主人公)
- ガネーシャ
この二人のやり取りを中心に物語形式で話が進んでいきます。
(物語の中でお釈迦様も登場します)
「僕」(主人公は)はどこにでもいるサラリーマンです。世の中のサラリーマンの8割くらいはこの「僕」と同じような境遇で、今の自分から一歩前進したいけれど行動できないという境遇ではないでしょうか?
そんな社会人一般の代表のようなキャラクターです。
一方ガネーシャは、ヒンドゥー教の神様でゾウの形をしています。
このガネーシャがとにかく胡散臭い。
歴史に名前を残している偉人のほとんどを育てたのはワシやと言っています。
その実績が本当だとしても、自分にはとにかく甘く、「僕」のお金でパチンコをやりに行ったり、あんみつが大好物で四六時中食べて寝てを繰り返す太ったゾウ・・・
神様なのに人間味(ダメ人間)あふれる存在です。
でも、こういう人って人生経験上だれでも周りにいたと思います。そして不思議とみんなに好かれる存在だったりします。
ストーリーが面白い
「夢をかなえるゾウ」は主人公の「僕」の部屋に突然ゾウの神様ガネーシャが居候を始めるところから話が始まります。
「僕」は普通の会社員。(以下主人公の事を「僕」と表記します)
世の中には仕事をしないニートの人もいる。
逆に年商何億と稼いでタワーマンションに住んでいる成功者も世の中にはいる。「僕」は成功者にあこがれて、自分を変えたいと思いようになります。
そしてガネーシャが現れます。
「僕」が成功するためのコーチをすると
ガネーシャは毎日いろいろな課題を「僕」に出してくる・・・
それは
- 靴を磨く
- コンビニでお釣りを募金する
- 食事を腹八分目におさえる
- トイレ掃除をする
という何てことでもない事から始まり
- 身近にいある一番大事な人を喜ばせる
- 誰か一人のいい所を見つけてホメる
- 人気店に入り、人気の理由を観察する
- プレゼントをして驚かせる
- やらずに後悔していることを今日から始める
- サービスして夢を語る
- 人の成功をサポートする
という実践的な内容に変わっていきます。
このガネーシャの課題を「僕」が実践していく。
その間ガネーシャは相変わらずあんみつを食べたり、押し入れの中で寝たり、テレビゲームをしたりして神様なのに堕落した人間らしい生活送っています。
それが読んでいて面白いのです。
本書の中盤で「僕」とガネーシャと釈迦(お釈迦様です)の3人で富士急ハイランドに行くという話があります。
なぜここでお釈迦様が?
と思うところもありましたが、本書の前半は「僕」の部屋でガネーシャとのやり取りが中心に話が進んでいきます。
この富士急ハイランドでは開けた外の世界が描かれています。
これ以降、「僕」とガネーシャの関係が徐々に変わっていきます。
少しずつだけど成長していく「僕」と成功することの難しさを知っているガネーシャとのやり取り。
ガネーシャが「僕」のもとにいられる期限が迫っているという点を軸にストーリーはクライマックスへと進んでいきます。
本書は自己啓発本というカテゴリーではありますが、読む人をぐいぐい引き込んでくるストーリーと愛すべき登場人物の存在により、すんなりと内容が頭に入ってきます。
本書が伝えたいことは一つ
本書の中でガネーシャの課題は全部で28個出題されています。
この中で私最も刺さった課題は、
「やらずに後悔していることを今日から始める」です
テレビでも漫画でもゲームでもセリフの中でよく出来る言葉に
「後悔しないように生きろ」というものがあります。
この言葉が世の中にあふれている理由は、世の中のほとんどの人は自分の人生に後悔して死んでいくからです。
自分のやりたいことやらずに後悔して死んでいく。そんな人生は嫌だと思いながらいろいろな鎖
- 収入
- 世間体
- 不安
これらに囚われて行動できないのです。
でもこれはみんな同じなのです。
毎日の行動の積み重ねと突然やってくるチャンスにより人生は進んでいくのだと40歳を過ぎた私は思うのです。
まとめ
10年前に初めて本書を読んだときは、何かを始めなければという焦りもありまた。
ガネーシャの課題を参考にできるものを取り入れていきました。
10年前とりあえず実践したのが、
「トイレを掃除する」です
10年間振り返ると、
自分なりにいろんなことに挑戦はしてきたと思う。
私は臨床工学技士という仕事をしているのですが、病院内のいろんな業務をMicroSoftAccessのシステムで効率化したり、学会発表をしたり、部署内で誰もやってこなかったことに挑戦してきました。
10年前の自分より確実に進歩はしている・・・?
その判断はまた10年後に先送りにしたいと思います。40歳を過ぎた今私が思うのは、人生を振り返るにはまだ早いという事。
まだまだ学ぶことは数知れず、ガネーシャの課題をこれからも実践していこうと思います。
そんなわけで、さっそくトイレ掃除用のブラシを新調してきました。(私って単純・・・)
Prime Readingで無料で読める
「夢をかなえるゾウ」は2020年6月現在Prime Readingで無料で読むことが出来ます。
Prime ReadingとはAmazonPrimeを契約していれば無料で利用可能なサービスです。1000種類以上の書籍がKindleアプリで無料で読むことが出来るのです。
AmazonPrimeを契約してる方は是非活用してみてください。
私は10年前初めて本書を読んだときは書籍版を読みました。
2020年6月から「夢をかなえるゾウ」がPrime Readingの対象書籍となったので、あらためて読んでみることにしたのです。
じつは、少し前までは「夢をかなえるゾウ2」「夢をかなえるゾウ3」はPrime Reading対象でしたが、ここにきて無印「夢をかなえるゾウ」がPrime Reading対象となりました。
ほんとこれはガネーシャとの運命的な再開でした。
TalkBackで無料で聴く読書
Kindleアプリのメリットは本の保管場所に困らない事、Kindle端末・スマホがあればどこでも読書が楽しめる点です。
電子書籍には「リフロー方式」と「固定レイアウト方式」があります。リフロー方式はテキスト情報が保存されている電子書籍。
固定レイアウト方式は書籍をスキャナーで読み込んだような形式の電子書籍です。
テキスト情報が保存されているリフロー方式のKindle書籍はAndroid端末ならTalkBack、IOSならスピーチ機能を使ってスマホやタブレット端末にテキストを読み上げもらい、聴く読書を楽しむことが出来ます。
気楽に読書をすることができるステキな機能です。
この記事ははてなブログお題「我が家の本棚」について書きました