FACT FULNESS(ファクトフルネス)はBookLive調べ2019年間ビジネス書・実用書ランキング1位、ビジネス翻訳書・⽇販調べ2019年間ベストセラー第1位という今でもとてもよく売れている書籍です。
オリエンタルラジオ 中田敦彦さんのYouTube大学でも紹介されていましたし、多くのYouTuberの方が書評動画を上げています。
そんなベストセラー書籍が無料で聴けるAmazonAudible。
私も体験してみました。
FACT FULNESS(ファクトフルネス)をAmazon Audibleで選んではいけない
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉 周作,関 美和
- 発売日: 2020/03/27
- メディア: Audible版
私はAudible1冊目にFACT FULNESS(ファクトフルネス)を選んだことを後悔しました。
- 図表やグラフを参照するところがあり音声だけでは理解しにくい
- 話の内容がとても面白く、書籍版を読みたくなる
- 文章が親切で普段本を読まない人でも文章が頭に入ってくる
そうなのです、FACT FULNESS(ファクトフルネス)の話の内容が面白くて書籍版も読みたくなってしまったのです。
それと図表やブラフはアプリ画面にある目次から「付属資料・PDF」を開いて見ることが出来るのですが、いまいち使いずらいところは本書がAudibleでは不利な点です。
結局のところ私の場合、全11章からなる本書の第2章までAudibleで聴きたところで、書籍版のFACT FULNESS(ファクトフルネス)を購入しました。
第3章以降は、Audibleで音声を聴きながら書籍版の文章を追っていくという特殊な読書を経験しました。
FACFACT FULNESS(ファクトフルネス)を読んで聴いて
本書は世界中の人々が陥っている10の思い込みについて各章で著者のハンス・ロスリング氏が語り掛けるような口調で私たちの誤解を解いていくという構成となっています。
経済に関することや、感染症に関することなど難しい内容も含まれますが、一切専門用語は使用されていません。中学生でも十分理解できる内容です。
10の思い込み
10の思い込みというのは
- 分断本能
- ネガティブ本能
- 直線本能
- 恐怖本能
- 過大視本能
- パターン化本能
- 宿命本能
- 単純化本能
- 犯人捜し本能
- 焦り本能
これらの本能は、人間が今のような文明を築き経済的に発展する以前、自らが生き残っていくうえで必要な本能でした。
しかし、これらの本能は世界で起きていることを正しく理解する上では時として邪魔になってしまいます。
本書のなかで終始一貫して著者が話題として持ち出しているのは
多くの人たちが
「ドラマティックすぎる世界の見方をしている」といいう事です。
世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ。何もしなければ天然資源ももうすぐ尽きてしまう。
P020
この様な話はよく耳にします。特にテレビやネットニュースで目にすることが多いですよね。
しかし、データに基づく現実は、「少しずつ世界は良くなっている」のです。
人間の感覚にはフィルターが存在し多くの情報から自分に必要な情報を取捨選択しています。このフィルターには穴が開いています。
「10の本能からくる思い込み」という穴です。
この特性から人間は事実を冷静に判断できなくなってしまいます。
ドラマティックすぎる世界ばかりが目に入ってきて、世界が少しずつ良くなっているという事実が伝わらないのです。
著者のハンス・ロスリング氏は世界中いたるところで講演をされていて10の思い込みに関するクイズを出題しています。
3択クイズで感で答えると正解率は33%になります。(著書ではチンパンジーでも正解率33%と言っている)
世界の有識者、指導者が集まる場所でクイズを出題した時の正解率が軒並みチンパンジー以下であったことを書籍の中で繰り返し話しており、いかに世界の正しく判断することが難しいかが分かります。
私のクイズの結果もチンパンジー以下でした・・・
ハンス・ロスリング氏が2022年の世界を見たら
3人の著者の一人であり中心的な存在であったハンス・ロスリング氏は2017年2月に膵臓がんのため、天に召されています。
この様な偉大な方の事を亡くなった後に知ることになったことを私は残念でなりません。
2020年から始まったコロナ禍を彼が見たらどのように思い、どんな行動に出るのでしょうか?
2014年にエボラ出血熱の流行が問題になった時、彼は医師として実際に西アフリカに行き調査を行っています。亡くなる3年前の事です。
彼は初め、エボラ出血熱の感染拡大を甘く見ており初動が遅れた言っていますが、それでも十分尽力を尽くしています。
感染症拡大防止のための道路封鎖の危うさをよく認識されています。
何か大きな問題が起きた時の解決法は簡単ではなく、焦り本能から過激な対策は恐れに支配され冷静に分析する力が失われてしまいます。
もし彼が新型コロナウイルスに怯える世界中の人たちを見たら、おそらくこの様に言うと私は思います。
- ドラマティックすぎる世界の見方をしてはいけない
- レベル1やレベル2の貧困地域での感染拡大が深刻
新型コロナウイルスの話題はまさにドラマティックすぎるといっていいくらいの扱いで連日報道されています。信ぴょう性に乏しい情報も多くあります。
彼の主張の一つである、貧困が乳児死亡率や女性一人当たりの子供の数、生活様式に影響を与えているという考えがあります。エボラ出血熱はまさに貧困地域で蔓延した感染症で公衆衛生を確立することで、感染者数を減らすことに成功しています。
では、新型コロナウイルスはどうなのでしょうか?
ハンス・ロスリング氏と同じ意志を持った人たちが事実を冷静に判断して解決方法を見つけ出してくれると信じています。