私が子供の頃は、ファミコンばかりやっているとバカになる。とよく大人に言われたものです。
- テレビばかり見ているとバカになる。
- 漫画ばかり読んでいるとバカになる。
- パソコンばかりやっているとバカになる。
本書を手にとった時、はじめはこの類の話なのかと私は思いました。
本書ではスマホを含めデジタルデバイスに潜むリスクについて分かりやすくまとめられています。
著者のアンデシュ・ハンセンはスウェーデンの精神科医。
ここ10年で、心の不調を訴える人が増えていると彼は言います。
原因はスマホの普及です。
本書を読むとテレビや漫画、パソコンとはくらべものにならないほどの危険がスマホに潜んでいることを認識させられます。
スマホ脳で分かるスマホにまつわる事実
著者のアンデシュ・ハンセンが本書で伝えたいことはこれです。
- 人間の脳はデジタル社会に適していない
- ストレス、恐怖、うつには役目がある
- スマホは私たちの最新のドラッグである
- 過剰なスマホの使用は、うつの危険因子の一つ
- デジタルライフが共感力を弱める
- シリコンバレーの巨人たちは自社製品への後悔の念をあらわにしている
少し前に読んだファクトフルネスでは、人類の生活はだんだん良くなってきているという内容でした。
しかし、本書の著者アンデシュ・ハンセンが言うには、ここ十年はそうではなかったみたいです。
人間の脳はデジタル社会に適していない
人間がこの地球上に登場してから1万年以上たちます。
ずっと人間は狩猟と採集をしてきました。
脳は1万年以上変化していないが、ここ10年で人類のコミュニケーション方法が変わりました。
私たちは、PCやスマホ使って、体を動かすことが減ったが、脳はまだサバンナで暮らしています。
そんな脳だけサバンナに置いてきた現代人がどのくらいスマホを使っているかと言うと
- 大人は1日4時間
- 10代の若者は1日4~5時間
感覚としては、もっと長時間スマホを使っているような気もします。
なぜスマホが心の不調の原因となるのか?
精神的な不調から身を守る要素は
- 運動
- 睡眠
- 他者との関わり
この3つです。
これらを奪うからスマホが心の不調の原因となるのです。
ストレス、恐怖、うつには役目がある
仕事がものすごく忙しかったり、受験勉強が大変だったりした時、うつ症状は大変な時期よりも、ストレスフルの時期の後にあらわることが多いですよね。
うつまでいかなくても、ストレスフルの状況から解放されるとしばらく燃え尽き症候群のような、
「なんもしたくねぇぇぇ」
状況を経験したことは私にもあります。
ストレスフルの状況が続くと、免疫機能が弱るので、脳が行動を制限して体を危険から守ろうとします。
近代化する以前の人間の命を脅かすのは、野生動物や感染症、他の人間でした。
うつになり行動する機会が減ると、感染症や危険にされされる機会が減ります。
実は、うつというのは、進化の中で人間が獲得した危険から身を守る防御策だったのです。
スマホはドラッグなんです
スマホはいつでも知りたいことが調べられて、友達と連絡が取れる便利な道具です。
私たちは一日に2600回以上スマホを触り平均して10分に1度スマホを手に取っています。
身におぼえアリですね。
スマホが無いと私たちの生活が成り立たなくなっているのは、
スマホの通知がなるたびに、ドーパミンが出るからです。
また、スマホでページをめくることでドーパミンが分泌され、満たされます。
スマホは10分ごとにちょこちょこドーパミンを補給してくれる存在で、
それを失ったら当然ストレス反応が起こります。
まるで禁断症状みたいです。
スマホがメンタルヘルスや睡眠に与える影響は大きく、
他人の写真を見るだけで自分は写真をアップしないし議論にも参加しない消極的なユーザーは精神状態がわるくなりやすい。
SNSで発信している人よりも、見るだけの人の方が、精神状態が悪くない安いなんて・・・
SNSを見るだけなら、いっそのこと見るのをやめたほうがいいかもですね。
デジタルライフが共感力を弱める
他人の痛み、誰かが足を骨折した写真を見ると、痛みを認識する脳の領域がすぐに活性化する。まるで自分がその痛みを経験しているように。
しかし、誰かが精神的に苦しんでいるとき、脳は理解に時間がかかる。うつに苦しんでいる人や離婚で悲しんでいる人の状況に身を置く人は、骨折した足が痛いという状況よりも複雑。
精神的な辛さを理解するには、人はひときわ頑張らないといけない。
SNS(特にTwitter)を見ていると、いるわいるわ。人の悪口ばかりの投稿。
これを見てばかりいたら、心に不調をきたしやすいな。
もともとSNSはあまり使わない私ですが、これでどんどんSNS離れが進みそうです。
シリコンバレーの巨人たちも自社製品への後悔の念をあらわにしている
フェイスブック初代CEOのショーン・パーカーは同社が人間のこころの脆弱性を利用したと明言している。彼は「子供の脳への影響は神のみぞ知る」といっています。
Apple創業者のスティーブジョブズは、子供たちがデジタル機器を使う時間を制限しています。
これは、iPhoneやSNSが子供に影響を与える可能性があることを、シリコンバレーの巨人たちは認識していたという事ですね。
スマホ脳で分かるスマホの影響から身を守る方法
巻末に「デジタル時代のアドバイス」として、スマホの影響から身を守る方法がまとめられています。
その中でも、私が取り入れたいな・・・と感じたのはこれです。
- 毎日1~2時間スマホをOFFに
- プッシュ通知はすべてOFF に
- 集中力が必要な作業をする時はスマホを手元に置かず隣の部屋に置いておこう
- どんな運動でも脳に良い
- SNSはスマホからアンインストールしてパソコンで使う
プッシュ通知は害悪
スマホは、現代の最大の広告塔です。広告は見てもらってなんぼの物なので、あの手この手を使って、ユーザーの注意をスマホに向けようとします。
私、気がついていしまいました。
プッシュ通知が何よりも害悪なのだと。
集中しているときにLINEの通知が来ると、一瞬で集中力が切れてしまいます。
本書を読んでから私が実践しているのは、何かに集中したいときはスマホの通知をOFFにします。
スマホ自体はカバンの中に入れるか、視界に入らないところに置いて作業をします。
スマホが視界にないだけで、かなり集中力が持続します。
どれだけスマホに集中力を奪われていたのだろうか・・・
運動はハードルを上げない
運動が体に良いことはみんな知っています。ストレス解消に効果があることもみんな知っています。
私もそうですが、運動というと、30分ランニングをしなければならない。とか毎日やらなければならないと、思い込み勝手にハードルを上げてしまっているところがあります。
本書によると、ストレスレベルを下げるために必要な運動は、
どんな運動でもいいのです。
最大限ストレスレベルを下げるためにには、
週に3回45分できれば息が切れて汗もかくまで運動するのが良いといわれています。
人によっては、週3回45分、息が切れて汗をかくまでの運動をするのはハードルが高いですよね。
この週3回45分というの、最大限の効果を得るための運動量です。
軽いウォーキングでもやらないよりは、やったほうがストレスレベルを下げるためには効果があります。
スマホのリスクを承知で味方にするには発信する側に回る
ここまでスマホがいかに中毒性があり、私たちの心の健康の妨げとなっているかという話をしてきましたが、なぜ世の中はスマホを広げようとするのでしょうか?
広告塔としてスマホがテレビ以上の価値がある
コレですね。
このスマホを通しての広告に関するビジネスは広告会社の人しか扱えないわけではなく、私たちのような一般人にもそのおこぼれに預かることができます。
これは活用しない手はないですね。
私は、ブログを通して情報発信を行い少ないながらも、GoogleAdSenseやASPからの収益をいただいています。
ある意味で、スマホの普及の利益を受けてっといる側の人間です。(微々たるものですが・・・)
SNS通して精神状態が悪くなるのは、自ら写真や記事を投稿する人ではなく、人が投稿した写真や記事を見るだけの人です。
情報を受け取る側になると、ネットビジネス仕組みをが分からず知らず知らずのうちに鴨になり、精神の不調をきたすリスクが上がる。
発信する側に回るというのも、スマホ時代を生きる賢い方法です。
まとめ|気づいた人から人生イージーモードに
スマホが集中力を奪い、精神的な不調の原因となるという事。
世の中の人の多くはまだ気がついていません。
Apple創業者のスティーブジョブズが自分の子供たちにスマホの利用を制限していたり、フェイスブック初代CEOのショーン・パーカーが子供たちへのSNSの影響を心配していたり、
スマホには悪い点がいくつかあることは明らかです。
しかし、今や私たちの生活にはスマホは無くてはならない存在です。
私はもともとSNSを利用しないので、SNSで精神的に追い込まれることはありませんが、スマホ通知によって毎日集中力を奪われていたことに気づきました。
世の中の多くの人が気づいていない、スマホの負の側面を認識することで、人生が以前よりイージーモードになるかもしれませんね。