MEのHigeさんのためになる話

4児のパパ臨床工学技士が綴るお役立ち情報、初心者向けMicrosoftAccessについて

ECMOや人工呼吸器を管理する臨床工学技士という仕事

病棟の談話室のテレビで見た、訃報志村けんさん死去

というニュース。日本中の人たちが、なぜこの人の命を奪うの?と涙したことでしょう。

人工呼吸器を装着して、さらにECMOを使って、いわゆる全力で救命をしたにも関わらず助からなかった命。

命の重みは誰も同じですが、志村けんさんの訃報は我々日本人にとって、とても大きな意味を持ちショックの大きなニュースでした。

 

 新型肺炎の治療で利用されている、人工呼吸器やECMOのニュースで、最近は我々臨床工学技士の名前が登場することが多くなりました。

 ニュースで取り上げられるのは、大学病院など3次救急を担っている大病院です。

私が勤務する中規模の病院では、どうなのか?まとめてみました。

人工呼吸器・ECMOは全国に何台あるか

人工呼吸器

  • 取り扱い:22,254
  • うち小児用:8,695
  • 待機中:13,437

ECMO

  • 取り扱い:1,412
  • 待機中:1,255

人工呼吸器でいうと、取り扱い22,254と言うのは、総数がこれだけあるという事。待機中13,437と言うのは、13,437台は現在使わずに空いているということです。

私が勤務する病院に人工呼吸器は10台ありますので、22,254の内10台が私の勤務先にあるというわけです。

ECMOでいうと総数1,412台あって1,255台は使われていない状態ということです。

私の勤務する病院には1台ECMOがあります。

人工呼吸器およびECMO装置の取扱台数等に関する緊急調査の結果について | 公益社団法人 日本臨床工学技士会

 

人工呼吸器・ECMOって何?

一般的に人工呼吸器というと、挿管チューブや気管カニューレを通して、装置から陽圧をかけて呼吸を代行またはサポートする装置です。

ECMOは体外式膜型肺の略で、血液を直接酸素化することにより、自分の肺で呼吸をしなくてもよい状態にして、その間に肺炎の治療を行いが良くなるまで命をつなぐという装置です。

このECMOという装置は、PCPS(経皮的心肺補助)という装置と物は全く同じ物です。

PCPSは下大静脈という大きな静脈から脱血(血液を体から出すこと)して、人工肺で酸素化した血液を大腿動脈という足の付け根の動脈に送血(血液を体に送ること)することで、心臓が止まりそうな患者さんの心臓と肺の機能を補助する装置です。

ECMOは下大静脈から脱血して、人工肺で酸素化して、右心房へ送血するというものです。

 一般の方には分かりにくく、医療従事者には足りない説明すみません・・・

中規模病院では

中規模病院というのは入院病床数が200~300床程度の病院です。この規模の病院にだと、大体の病院で人工呼吸器は配置していて、臨床工学技士が日常点検を行っています。

操作や設定についての相談や患者さんに使用している最中の観察を医師や看護師と協力して行っている病院が多いです。

ECMOに関しては、中規模病院には置いていないところがほとんどです。

私が勤務する病院は1台ECMOがあります。といかECMOをするための装置ではなく、PCPS(経皮的心肺補助)を行うための装置として置いてあります。

ECMOにしてPCPSにしても、中規模病院ではよっぽどのことがないと使うことはありません。

現に私は今の勤務先に10数年いますが、稼働したは1回だけです。

その1回はものすごい緊張しましたが、医師や看護師と協力して乗り切ることができました。

ツイートでもありましたが、ECMOを行うのは、ものすごくスタッフのマンパワーを消耗します。

医師は患者や看護師は患者さん側の事を専門に対応し、臨床工学技士は、装置側の事を専門に対応します。

うちの病院の場合はECMOの装置が1台です。

事実上患者さん1人しか使えません。それでも、多くのマンパワーを必要とします。

これが大規模病院になるとECMOが数台あります。

同時に何人もECMOをするとなると、ものすごい人出が必要になります。

また、新型肺炎のような感染症の場合は、空間的に隔離をしたり、患者さんを担当するスタッフは感染防護をする必要があります。そして何より、見えないウイルスと隣り合わせと言う不安感が付きまといます。

長期化すとなると、スタッフの消耗が激しくなります。

これからのシナリオ・・・そろそろ覚悟を決めなければ

私の住んでいる県では今のところ新型肺炎の患者さんの数がギリギリ感染症指定病院のキャパシティを超えていません。

しかし、ここ数日で県内での感染症患者さんが飛躍的に増えることが予想されています。何処の病院にも新型肺炎感染患者さんの入院を受け入れれるという状況になります。

 そうなると、新型肺炎感染患者さん専用の病棟を配置する必要があります。

緊急以外の入院や手術の延期や、外来診療の制限や人間ドックの運用停止をすることになります。

特に頭を悩ませるのが、人工透析を行っている患者さんが新型肺炎に感染した場合です。

感染症病棟に入院したとしても、人工透析をする設備が病棟にはないという理由と、重症化しやすいという理由から、HCU(高度治療室)という部屋に入院してもらう必要がありますが、数に限りがあります。

 1週間後、1カ月後どうなっているのか?

上手く乗り切れているのか?

まったく未知数

覚悟を決めて、取り組んでいきたいと思います。

 

こんなゴタゴタのなか、明日は新入職員の方たちが入っています。

大変な時だからこそ、みなさん頑張ってい欲しいものです。