こんな本です
著者: スペンサー・ジョンソン
訳:門田美鈴
日本で400万部、全世界で累計2800万部を売り上げた、Amazon史上最大の
大ベストセラー「チーズはどこへ消えた」の続編です。
著者のスペンサー・ジョンソンは2017年に亡くなっており、2019年に本書は出版されています。スペンサー・ジョンソンの遺作となってしまいました。
本書に書かれている事
ベストセラーとなった「チーズはどこへ消えた?」のその後のストーリーです。前作で新しいチーズを探す旅に出ないで、チーズステーションCに残った小人のヘムの身に起こったお話です。
どれだけ待っても、チーズは戻て来ないし、友人であるホーは帰ってこない。
ヘムは考えた結果、結局迷路にチーズを探しに行くことになります。そこでまた別の小人であるホープという女の子と出会います。
ヘムは頑張り屋さんであり、不器用なところがあります
「上手くいかないのは自分の努力が足りないからだ」
「昔上手くいった方法を信じて、その方が信念となっている」
「信念を変えることは、自分が自分でなくなってしまう」
このように考える小人でした。
頑固なんですね。
ホープという小人の女の子から、チーズ以外にもリンゴという別の食べ物があることを受け入れたり。信念が変わっても自分は変わることはないということに気が付いたりして、迷路の外へ行きつく。
という内容の話です。
「チーズはどこへ消えた?」の中で、もう一人の小人のホーは、新しいことに挑戦して不安のながら、希望と喜び見つけて前向きに進んでいく雰囲気でしたが。「迷路の外には何がある?」のヘムは、古い考えにとらわれながら、悩みながら信念を変えていくという、少し重い雰囲気が漂います。
これは、先に動いたホーは先行者利益により、有利に事を進めることができたののに対して、出遅れたヘムは、後発者の苦労が表れています。
チーズはどこへ消えた?同様、ストーリの前後でこの「迷路の外には何がある?」の内容についてディスカッションする章が設けてあります。ストーリの中の教訓を実社会での例を用いて話し合うシーンが描かれています。
本書のためになったところ
なんだかんだで今の仕事を十数年続けていますが、私が就職したころの今の職場を取り巻く環境は変わっています。会社勤めをされている方はここ数年のICT技術の進歩により、働き方の変化を感じていると思います。今後AI技術の進歩により、今の仕事の何割かは無くなるとも言われています。今と同じ働き方をしていくことはどうやっても不可能な時代になってくることが予想されます。
本書では信念という言葉をつかって、信念は大切。だが、状況によって信念を変えることの大切さを教えてくれます。
信念が変わっても自分は変わらないという言葉も勇気をもらえます。
本書のいまいちなところ
本書は「チーズはどこへ消えた?」のセットで始めて意味を成す本です。そして、どうしても、「チーズはどこへ消えた?」を初めて読んだ時のような衝撃はないというところが、いまいち・・・というか、そういうもののなのでしょうがないですが。
それだけ、「チーズはどこへ消えた?」は完成されていた。という事だと思います。
「チーズはどこへ消えた?」でカバーしきれなかったところを、この「迷路の外には何がある?」がカバーしたという位置づけの本なのだと思います。
本書を読んで変わったこと
古い考えを捨てる覚悟ができました。今私が職場で置かれている立場は、中堅以上という立場になっています。気が付けば後輩も何人か入ってきて、自分だけが挑戦者だった時代は終わり、他の挑戦者である後輩たちをサポートする立場になりました。
今まで自分が作ってきた実績よりも、これからの時代にあった方法を探して実践していきたいと思います。
これは私が中堅以上の立場の人間だからこのように感じるわけで、就職して間もない方や学生の方、フリーランスの方はそれぞれ別の感じ方があると思います。
まとめ
世の中にいる人のほとんどは、新しいことにすぐ挑戦するホーのタイプではなく、出遅れてしまうヘムのタイプなのだと思います。私もできればホーのようになりたいと思っていますが、結局ヘムのように、一度成功した方法にとらわれてい新しいことに挑戦できずにいる自分に気づかされれることが良くあります。
「迷路の外には何がある?」はそんな大多数のヘムたちに向けて語り掛けるストーリーなのだと思います。