日本の新型コロナウイルスの感染者数拡大は、データを見る限り、イタリアや米国、スペインに比べると、今のところコントロールできていると言えます。
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/country_count.html
重症症例しかPCR検査をしていないから、数値として出ていないのかもしれませんが、結果として、今のところ日本はイタリアのような医療崩壊を起こすような事態にはなっていません。
ホリエモンチャンネルで、堀江さんが峰宗太郎先生と対談されている動画が、新型コロナウイルスの現状と、これからを分かりやすく解説されていて参考になりました。
今後、日本はイタリアのように急激に感染者数が増える未来も起こりうるし、このままじわじわと、長期にわたり感染者数がくすぶり続ける未来も予想されるということでした。
2020年3月27日現在では、PCR陽性の患者さんは入院して治療を行う事になっています。
感染症対応病床数というのは県ごとで数が決まっています。
県によって多い少ないはあります。
状況に応じて、ベッド数を増やすことはあると予想されますが、限界があります。
そうなると、本当に重症肺炎の人以外は自宅療養ということになる可能性があります。
もし自分が新型肺炎に感染して自宅療養することになったら?新型肺炎になった家族を自宅で看ることになったら?
医療従事者の自分も自宅療養は不安です。
なぜなら、自宅には通常、心電図モニタやパルスオキシメーター、血圧計が無いため、十分なバイタルサインの確認ができないことが理由の一つです。
探してみると、ネットで買える生体情報モニタリング機器が多数ありましたので、記事にすることにしました。
普段臨床工学技士として、病院内で医療機器のメンテナンスをしている立場から自宅にこれがあったら、心強いと思うものを紹介します。
3位 心電計
一般の人が心電図の波形を見て、正常が異常かの判断をすることは難しいかもしれません。
しかし定期的に心電図波形を確認していると、いつもと違う波形が出た時に、かかりつけの医師に相談することが出来ます。
この心電計は左胸に電極を当てて測定ボタンを押すと30秒間心電図を測定してくれます。測定波形はSDカードに5件保存することが出来ます。
新型肺炎に感染した場合のリスクは、基礎疾患がある方、特に心血管疾患を持っている方で、高いというデータがあります。肺炎のリスクと、もともと持っている疾患の双方のリスクに備えなければなりません。
新型コロナウイルス感染症診療の手引き2020COVID-19より
https://www.mhlw.go.jp/content/000609467.pdf
2位 血圧計
十分経験を積んだ医療スタッフなら、内頚動脈や上腕動脈、橈骨動脈を触知することで、およその血圧を予想することが出来ます。
病院では呼吸回数や脈拍、脈が跳ばないか?顔色はどうか?このような理学的所見と生体情報モニタの数値の双方でアセスメントするのですが、一般の方はそうはいきません。
血圧計なら、測定値がはっきりと数値で出ます。
腕時計タイプや、手首で計測するタイプがありますが、信頼性から言うと、上腕で測定するタイプが安定して計測することが出来ます。
また、本体とマンシェットが一体になっているタイプは、本人が座った状態でしか測定できません。寝た状態でも測定できる、本体とマンシェットが分かれているタイプがおすすめです。
血圧を正常値に保つことは、脳卒中や心臓病、腎臓病を予防する上でとても大切です。
日本高血圧学会Webサイトより引用
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2014/jsh2014_gen.pdf
では新型肺炎の療養中に血圧を測る意義はなんでしょうか?
それは、普段と比べて血圧が異常に上がったり、下がったりしていないか?
を確認するためです。
特に、何かの侵襲で急に血圧が下がってしまうショック状態を発見することが出来ます。
本体とマンシェットが分かれているタイプをおススメするのは、横になった状態の人の血圧を測定できるからです。
1位 パルスオキシメーター
1か月前にも記事で書きましたが、パルスオキシメーターがあると肺炎で自宅療養する際に心強いです。
赤血球の何%に酸素が結合しているかを示す装置で、クリップ式のセンサーを指先につけるだけで、血液中の酸素の量を経皮的酸素飽和度(SPO2)としてモニタリングすることができます。
肺炎がひどくなると、肺から十分な酸素を血液中に取り込めなくなってしまいます。
経皮的酸素飽和度(SPO2)の正常値は96~99%
このSPO2が90%以下となると呼吸不全と言われています。
パルスオキシメーターはネットで多くの種類が販売されています。
ただし安いもの(5000円未満のもの)は測定値に不安があります。
ここに紹介した製品は2020年5月現在、売り切れとなっていることを確認しています。
今後入荷されれば、購入することが出来るので時々チェックしてみると良いでしょう。
まとめ
新型肺炎患者このまま増え続けると、すべての患者さんを入院させるだけの病床数を確保することが出来なくなる可能性があります。
基礎疾患があったり、重症化した患者さんしか入院対応できない状態となることも予想されます。
自宅で療養していて、重症化することも十分起こりえます。
なんか、しんどい。なんか苦しいという主観的な情報では伝わり切らないことが、
生体情報をモニタリングする機器があると、客観的に医療者に伝えることが出来ます。
今回紹介した装置はどれも、生体情報をモニタリングするための装置です。
当然治療を目的としたものではありません。
普段のデータと比べて急な変化があった場合には医療機関に連絡して、診療を受ける必要があります。
まだまだ、新型コロナウイルスの感染者は増え続けると予想されます。
長く続く閉塞感と不安で、正しい判断が出来なくなる場合があります。自分の体が発する情報は正しく数値化してくれる、モニタリング装置、参考になれば幸いです。
以上、新型肺炎で自宅療養 あると便利なネットで買えるモニタリング機器ベスト3でした。