「親死ぬ、子死ぬ、孫死ぬ」
私が子供のころ夕方5時頃テレビアニメで放送されていた「一休さん」で有名な
一休禅師が残した言葉で、中学か高校の時にどこかで聞いたのを覚えています。
親→子→孫の順番で天に召される事がなにより幸せであり、この順番が逆になると大変悲しいことだ。
という内容だったと記憶しています。
病院勤務という仕事柄、患者さんの死に直面することがかりますが、多くの場合高齢の方で、 一休禅師のいう順番なんだろうなぁというケースが多く、人が亡くなることは悲しいことだが、人が亡くなる順番は不幸な順番ではないと、自分を納得させていました。
しかし自分のこととなるとそうはいかないようで・・・
私の母が今年の5月に胃癌だと言うことで、手術を受けることになりました。
母は自分の体調不良で病院に行くことがほとんどなく、60後半になってお腹が張って食事がとれないという症状がありましたが、検査を受けることを先延ばしにして、リンパ節へ転移しているという状態まで進行してしまいました。母に聞きましたが、胃薬を飲んでん少し楽になったので、大丈夫かと思った。。。と
私は今の職場に就職する際に家を出て、結婚をして、実家から1時間くらいのところに住んでいます。
近くに住んでいたら。。。もう少し顔を見にいっていたらと思うことがありますが、
もしもの話をしても現実は変わらないことは理解しています。
手術をしましたが、腹腔内へ播種がみられるため、胃のバイパス手術(腫瘍で食べ物の通り道をふさいでいる個所をバイパスする)という、根本的な治療ではない手術をして、化学療法を行ってきました。
手術をする前の母は、私のよく知っている元気でよくしゃべる母でした。
手術を終えた直後の母は、酸素投与と点滴、創部にドレーンが入った状態でした。
手術では癌は取れないということで、抗がん剤の化学療法を行うことになり、1か月に1回通院して化学療法を受ける生活が続きました。
化学療法を行うために、CVポートという点滴を入れるポートを胸に埋め込む必要があり、それを母が躊躇っていたのを覚えています。
CVポートは抗がん剤の点滴をする際に、安全に投与をする目的で使用されます。
しばらく、化学療法を行いながらの生活がつづきました
化学療法後は、気分が悪い様子もありましたが、調子が良いときは元気にしていたので、しばらくこの状態が続けばいいな・・・と思ていて
11月の終わりごろ
急にへモブロビンが4.9g/dlという健康な人と半分以下という貧血となり、入院ととなりました。
腹水もたまっていました。
腹腔内に播種していた癌細胞から出血をしているということでした。
止血剤入りの点滴をして、輸血をして、腹水がたまりしんどい場合は腹水を抜く処置をして、なんとか頑張んている状態が今です。
今の目標は、貧血が改善して一時帰宅すること。
なるべく、病院へ行き母と過ごせる時間を取りたいと思っています。
病院にはいつも父が付き添っており、私が見舞いにいくと、父、母、私で過ごすのですが、何年振りに両親と過ごす時間なんだろう・・・?
ふと思います。
「親死ぬ、子死ぬ、孫死ぬ」
という言葉が頭を常によぎります
一日一日を大切にしたいと思います